【キングダム続編決定】続編キャストを勝手に予想 -中国おすすめ漫画もすこしだけ
5月29日、映画「キングダム」の続編制作決定が報じられた。興行収入57億円、現在も原作連載中の作品の続編を東宝が作らないことはまずないし、金曜ロードショーあわせでの情報解禁だろうとは思っていたけど、それでもニュースを見た時はファンとして心が躍った。
「山の王」楊端和を演じる長澤まさみが美しすぎるということで、昨夜のツイッターは大盛り上がりだった。
続編映画では、王騎と龐煖の勝負が描かれるのかなと予測してるんだけど、その場合、3期、4期の製作も十分視野に入ってくる。ヤングマガジンの「カイジ」シリーズは、2009年に最初の映画が公開されてから、2020年の「ファイナル」公開まで、11年に渡って4つの映画が公開された(中国での「動物世界」を含む)。「キングダム」にはぜひ、「カイジ」を超える長編シリーズを目指してもらいたい。
ヤングジャンプでの連載は、ちょうど鄴攻略が一段落し、3週間の休載中。来週号からまた連載が再開される見込みだ。ハイペースでここまで描き続けてきたので、たまにはしっかりと休んでほしい。史実だと、趙三大天の李牧はこの後悲運の最期を遂げるわけだが、「キングダム」で彼が今後どのように描かれるか、楽しみに待ちたい。
- 1.続編キャストをちょっとだけ予想
- 2.おすすめ漫画①『蒼天航路』(王欣太・李學仁/講談社)
- 3.おすすめ漫画②『劉邦』(高橋のぼる/小学館)
- 4.おすすめ漫画③『パリピ孔明』(四葉タト・小川亮/講談社)
1.続編キャストをちょっとだけ予想
龐煖:本木雅弘
上述の通り、続編は龐煖が登場すると思っていて(違ったらごめん)、主要どころだと羌瘣、李牧も登場すると思われる。原作龐煖のイメージ的には宇梶剛士がぴったりだと感じたけど、魏興役で既に出演済み・・・。
となると、ここでは現在大河ドラマ「麒麟がくる」で斎藤道三役を演じている本木雅弘を推したい。
先日、彼を特集した「プロフェッショナル 仕事の流儀」を視聴したが、彼の”演技”に対する姿勢はまさに求道者といったところで、龐煖の”武”に対する姿勢と通ずるものがある。やや線が細いかなという懸念もあるが、そこは役作りに期待。
羌瘣:上白石萌音
「天気の子」での声優起用から、話題沸騰中の「恋はつづくよどこまでも」にも出演中の上白石萌音。
羌瘣の個人的なイメージは、無欲、純粋、清廉といったあたりだが、それらを踏まえると上白石萌音が適役のように思う。「アメトーーク!」のキングダム大好き芸人で小嶋瑠璃子がコスプレしていたけど、ちょっとイメージと違った。。
李牧:佐藤健
「恋つづ」の見過ぎや!と怒られそうだが、佐藤健って「るろうに剣心」や「バクマン。」など、集英社原作の映画によく出ているイメージで、それ込みの予想。
知的でスマートなイケメンが合うと思うので、玉木宏とかもありかな。
2.おすすめ漫画①『蒼天航路』(王欣太・李學仁/講談社)
『キングダム』以外で、おすすめの中国漫画をいくつか紹介したい。
一つめはモーニングで連載されていた『蒼天航路』。
時代は『キングダム』のあと、三国時代の曹操を主人公に据えた「ネオ三国志」。
色々な三国志で、曹操は悪役として描かれることが多いんだけど、本作では「最も人に興味を示した英雄」として描き、新たな曹操像を確立した。演義系三国志での劉備礼賛に飽きた方にぜひおすすめしたい。紙の在庫が薄そうなので、電子版での購入がおすすめ。ちなみに作者の名前は「キングゴンタ」と読む。
3.おすすめ漫画②『劉邦』(高橋のぼる/小学館)
『土竜の唄』の著者が描く劉邦モノ。時代はキングダムのちょっと後、三国志より前。
嬴政が亡くなった後に漢を作った人が劉邦。学生時代、部室で『土竜の唄』を爆読してたんだけど、画風がモロ『土竜の唄』で、読んでいてエモくなる(『新宿スワン』もめちゃくちゃ好きだった・・・)。
ちなみに、『土竜の唄』は現在も連載が続いている。原稿生産力が半端じゃない。
4.おすすめ漫画③『パリピ孔明』(四葉タト・小川亮/講談社)
諸葛孔明が現代の渋谷に転生し、歌手を目指す月見英子のマネージャーとして活躍する、というなんとも破天荒な漫画。つまり、時代は令和である。月見英子って明らかに月英(孔明の妻)もじりだよね。
厳密にいうと中国漫画ではないが、孔明が現代で様々な策略を用いてクラブミュージック界をのしあがっていく様はかなり新鮮だ。
同時期に発売された、太宰治が異世界に転生しちゃう漫画『異世界失格』(小学館)もあわせておすすめしたい。
ステイホームも徐々に緩和されつつあるけど、もう少し、漫画を読んで家で過ごすのもありじゃないかな。ではまた!
『快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか』を読む -なぜ人は賭け麻雀に熱中するのか?
「人間にとって、快感はまっとうに得られるものではない。天から貸し出されるのだ。非常な高利で。」(ジョン・トライデン『オイディプス』)
目次をめくってすぐ、1ページ目に引用されたこの言葉を読んで、つい顔をしかめてしまった。身の回りに溢れる大半の快楽には代償が付き物だ。煙草を吸えば血管はボロボロになるし、カロリーを取りすぎれば脂肪がつく。ギャンブルに勝てば一時的に懐は温まるけれど、気付いたら収支はマイナス。ギャンブル好きの決まり文句「生涯収入は勝ってる」ほど、当てにならないものはない。
1.「快感回路」とは
”賭け麻雀”がにわかに世間で話題になる中で、ふと考えたことがある。
「なんで皆、そんなに賭け麻雀が好きなんだ?」
麻雀というゲームそのものが好きなのであれば、将棋や囲碁のようにノーレートで遊戯を行っても良いはずだ。何が人を賭け麻雀に熱狂させるのか?そんなことを考えていた折に、大学生時代に買ったまま通読していない文庫が目に入った。
『快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか』(デイヴィッド・J・リンデン、河出書房)である。
1953年、カナダにあるマギル大学の研究で「快感回路」は発見されたという。
行った実験の内容をざっくりまとめると、下記のような感じ。
ラットの脳、中隔と呼ばれる部分に電極を差し込み、箱の中に閉じ込める。
箱の中には、レバーがあり、レバーを押すと電極を通じて中隔に刺激が与えられる。
実験内容を読んだだけで、大方の結果は想像に易しいんだけど、ラットは自分の脳を刺激するために、一時間に7,000回ものハイペースでレバーを押し続けた、と。
つまり、この刺激を与えられた部分が「快感回路」にあたるわけだ。
このラットの実験についての記述がなんというか、エグみがあって強く印象に残ったので、そのまま引用して紹介したい。
自分の脳を刺激しているオスは、近くに発情期のメスがいても無視したし、レバーにたどり着くまでに足に電気ショックを受ける場所があっても、そこを何度でも踏み越えてレバーのところまで行った。子どもを生んだばかりのメスのラットは、赤ん坊を放置してレバーを押し続けた。なかには他の活動を一切顧みず、一時間二〇〇〇回のペースで二四時間にわたって自己刺激を続けたラットもいた。(p.19-20)
これ、何か既視感があるなと思ったんだけど、中学生の時に受けた覚醒剤根絶の授業で聞いた、覚醒剤使用者の症状とほぼ一緒だ。本書を読み進めている内に、薬物の中毒性も脳の報酬回路(=快感回路)を破壊することによる、と書いてあって、やけに納得感があった。
ともかく、人間の脳には快感を司る部位があって、これは人が快感を感じるあらゆる場面で活性化するらしい。はじめに書いた、高カロリーの食べ物を摂取したときも、セックスをするときも、慈善活動をするときも、等しく活性化する(僕のすごく雑な理解で換言すると、ドーパミンが放出される)。脳にとっては、善徳とされるものも、悪徳とされるものも、快感という意味では等しいと考えると、ちょっと面白い。
2.不確実性の快感
ここまで来ればお察しの通り、ギャンブルでもこの快感回路は活性化する。
ギャンブルで発生する快感については、第5章「ギャンブル依存症」に詳しい。
ここでようやく本題で、人はどのようにしてギャンブルにはまっていくのだろうか。
よく言われるのは、友人に誘われて試しにやってみたギャンブルで大勝ちし、ずるずるとのめりこんでしまう、という説。ただこれは不完全な説のようで、人間の脳はもともとある種の「不確実性」に快感を見出すように出来ているらしい。
ラットの実験に続いて、この不確実性についての実験も面白かったので紹介したい。
今度はケンブリッジ大学での実験で、対象は猿。ラット同様に脳に電極を埋め込んで活動を記録する。実験内容は、モニターに3種類の光(赤、緑、青)を表示し、表示された色によってシロップ(=報酬)が与えられる。
報酬が与えられる条件は下記の通り。
緑:報酬あり(100%)
赤:報酬なし(0%)
青:報酬あり/なし(50%)
何色が表示されたときに、快感の度合いが最も強いかという話なんだけど、報酬の有無が分からない青が表示された時が、最も強かったと。
で、さらに面白いのは、猿が条件を学習していくと、緑の光が表示されたときは、光が表示された瞬間だけドーパミン・ニューロンが活性化(=快感が発生)し、報酬自体では快感回路は活性化しなくなる。一方で、青の光が表示されたときは、光が表示された瞬間から、報酬の有無が確定するまで、常にドーパミン・ニューロンが活性化し続けたのだ。これは、上記の「脳が不確実性に快感を感じる」ということの証左で、確実に手に入る報酬にも勿論快感は発生するが、報酬が手に入るか分からない状態そのものにも快感を感じるということだ。これを分かりやすく表した図があったので、下記記事から拝借する(ソシャゲのガチャについて、同じく『快感回路』を用いて説明している)。
言い換えると、博打で勝つという結果だけではなく、俗にいう「ヒリヒリする」状態に強く快感を感じる、というわけだ。余談かつソースは見つけられなかったけど、記事の中に「人間は狩りと言う30%程度の成功率しかない、不確実な行為を行うことで生存してきたので、不確実性に快感を覚えるようになった」という記載があって、ロマンティックな推察だなと感じた。
3.麻雀というゲームの本質
上記を踏まえると、「なんで皆、そんなに賭け麻雀が好きなんだ?」という問いに、ひとつの結論を出せそうだ。
麻雀というゲームは、そもそも不確実性の塊だ(ルールを知らない方は、ぜひこの機にぐぐってみてほしい)。よく比較される将棋であれば、盤面にすべての情報が表示されているし、自分の持ち駒、相手の持ち駒は把握した状態で手を進めていく。存在する不確実性は相手がどんな手を打ってくるか?の一点のみだろう。
対して麻雀は、相手が何を持っているか分からないし、自分が何を引いてくるかも分からない。毎順、山から牌を積もってくるわけだが、言い換えるとこれは毎順抽選を受けているのと同じで、多ければ一局で18回不確実な未来に対してヒリヒリできるのだ。
この18回というのは自分のツモに限った話で、相手からリーチが入れば、自分が捨てる牌であがられてしまうのではないか?という異なる不確実性が生じる。更には、リーチして上がれば、今度は裏ドラという不確実な抽選も発生するのだ。これはもう不確実性の宝庫といっても過言ではない。
つまり、賭け麻雀には、勝負の結果によって得られるお金という報酬(猿でいうシロップ)が存在し、勝負の最中は常に不確実性によって脳に快感が生じているのである(猿でいう青い光が表示された状態)。
黒川検事長も、それは点ピンで麻雀を打ってしまうわけである。
点ピン麻雀は合法か?については別記事を書いたのでそちらをご覧いただきたい。
4.おわりに
ほこりを被って埋もれていた文庫を読むことで、一つの疑問にひとまずの仮説を立てることができた。月並みだけど、積読って大事なことだ。
快感とはうまく付き合わないと、一瞬で依存症に陥ってしまう。
自分の身を守るためにも、脳や快感の仕組みについて知っておくことは損じゃない。
今度は、これまた本棚でほこりを被っている『意識は傍観者である』(ハヤカワ文庫)を読んでみようと思う。
#書評
いろんな織田信長を比較してみた ~歴史の教科書から「麒麟がくる」まで~
1.余談
暇なのでブログ書いてみた2本目。
明日にも首都圏で解除されると報道されている緊急事態宣言。
僕も御多分に漏れずテレワークと外出自粛の日々を送っていたわけだけど、
まあやることがない。
というわけで、ここ1か月ほど「仁王2」や「信長の野望」、スマホゲーの「戦国布武」など、いわゆる歴史ゲーをやりこんでいた。「信長の野望」シリーズだと、創造が一番好き。最新シリーズは大志。
ちなみにシミュレーションゲーマー界隈では相当評価が高い「シヴィライゼーションⅥ」がEpic gameストアで無料配信中だ(通常時の販売価格は7,000円)。未プレイなのでこの機にプレイしてみようと思うんだけど、主人公に選べる北条時宗の家紋がゼルダのトライフォースと完全に一致しているせいで、海外プレイヤーが「zelda fan boy」とあだ名をつけているらしい。ちょっと笑った。名家なのにね。
シヴィライゼーションについての説明もリンクしておく。
2.「麒麟がくる」の信長
話が脇に逸れたけど、戦国ゲームをやっていると必ずと言っていいほど登場する武将がいる。そう、織田信長だ。
どのゲームに出てくる信長もやっぱり総じてかっこいい。
戦国時代のカリスマだし、そう描く方が物語としても映えるよね。
「第六天魔王」っていうワードからかなり魔王寄りに描かれるゲームもちらほら。
ただ、そんな信長のイメージをともすると一変させるかもしれない、今までにない信長像を描くドラマが始まっている。今年の大河ドラマ「麒麟がくる」だ。
信長を演じるのは染谷将太なんだけど、今のところ全然かっこよくないのである。
(余談だけど「バクマン。」の染谷くんがめっちゃ好き)
いや、顔は染谷くんだからかっこいいよ。ここでいうかっこよさはいわゆるカリスマ性みたいなもので、その点でいうとちょっと外れているのだ。
父からも母からも愛されず、弟を妬み、自分が正しいと思った方向に猛進してしまう、そんな信長像が描かれている(もちろんその中に天性のキレは感じさせるんだけど)。
決してうつけではないんだけど、どこかに人間的な欠陥を感じさせる、そんな感じ。
ちなみに先週の放送話で弟の信行(信勝)を毒殺した。
大体の歴史モノだと、信長が尾張を統一するくだりはあっさり描かれて、弟の謀反に対しての信長の感情だとかが詳しく描かれることはないんだけど、「麒麟がくる」の信長は、父母の寵愛を受けた弟に対して「お前が妬ましい」と嫉妬をこれでもかと露わにして、涙ながらに毒を飲ませた。今後の染谷版信長がどういう変化を遂げていくのか、とても気になるところだけど、ひとまず今までにない人間的な信長になっていて、日曜8時の放送を毎週楽しみに待機している。
ここまで、信長っぽくない信長の話をたらたらと書いてしまったので、
信長っぽい信長のイメージについても見ていきたい。
3.歴史の教科書に出てくる信長
日本人なら一回は見たことがあるであろう信長。
仮に織田信成が本当に織田家の子孫なら、顔立ちについてはこんな感じだったんじゃないだろうかと言う気がする。
4.海外の絵師が描いたとされる信長
こういうおじさん現代にもいるよね。歴史の教科書よりイケメンというかダンディー。
5.「信長の野望」の信長
KOEIのゲームの信長はだいたいこんな感じ。
史実に忠実なヴィジュアルでゲームに出てきても、「かっけえ…」とはならんよね。
シブサワ・コウの愛する信長像を今後も描き続けてくれ。
6.ゲームっぽい市川海老蔵版信長
うーん、かっこいい。勒玄くんも大人になったらこんな感じになるのかな。
「おんな城主 直虎」での信長です。
7.おまけ
信長関係ないけどGACKTが「風林火山」で演じた上杉謙信がこちら。
8.最後に
史実は史実として大事だけど、歴史に限らず読みものだったり、物語の何が面白いかって、想像の余地があるところだと思う。僕は歴史の専門家でもなければただの一般人なので、書いてあることに間違いがあったら許してほしい。
信長についても、本当の信長がどんな人間だったかはその時代を生きた人にしか分からないけど、通説にはまらない信長が登場してくることは、とてもわくわくすることだし、大歓迎だな。
お題「#おうち時間」
賭け麻雀は点ピンまでOK?について考えてみる
1. はじめに
黒川検事長が賭け麻雀で辞任した。
検察No.2と超高級取りの朝日新聞記者で卓を囲むとなると、
なんて思っていたら、蓋を開けると点ピン(
実態として、
なんて思っていたら、
「旧知の間で、レートはいわゆる点ピン。具体的に申し上げますと、1000点を100円と換算されるものでございまして、もちろん賭けマージャンは許されるものではありませんが、社会の実情をみましたところ、必ずしも高額と言えないレートでした。(法務省・川原隆司刑事局長/5月22日衆議院法務委員会での答弁)
答弁の様子はこちら。
黒川検事長が受けた処分は「訓戒」。
はっきり言ってただの注意レベルで、痛くもかゆくもない処分だ。
(実際、6,000~7,000万円といわれる退職金は満額支給される見込み)
黒川検事長が立件、起訴されないのであれば、一般市民が点ピンで麻雀を
打つことも自ずと認められることになる。
ちなみに、刑法に定められている賭博罪の条文は下記の通り。
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。(刑法第185条)
重要になるのは、「ただし」以降のいわゆる但し書きで、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない」となっている。
ひらたく言うと、麻雀の勝敗結果によって昼ごはんをおごったり、パチンコの景品にあるようなお菓子のやり取りなら許されるという感じだろうか。
ただ現行の法解釈だとレートによらず現金のやり取りは認められていない。
つまり、点ピンの賭け麻雀は法律の条文、解釈的にはアウトだが、社会の実情としては認められる、非常にグレーなゾーンであると法務省が認めたことになる。
ちなみに、タレントの蛭子能収が逮捕されたときのレートは点リャンピン。1000点200円換算である。この100円の差に逮捕される、されないほどの大きな隔たりがあるとは思えないが、ひとまずそういうことになっている。
余談だが、なぜ人が賭け麻雀に熱中してしまうかについては、別記事にまとめたのでこちらもご覧いただきたい。
2. 現行刑法は時代遅れである
ここまでの流れを踏まえて言えるのは、現行の賭博罪が時代遅れで、社会の実情に全くそぐわないということだ。現在、日本で認められている賭博の競馬、競輪、競艇、パチンコと麻雀はゲームの結果によって金銭が動くという点でなんら変わらない。
であるなら、麻雀も点ピンまでなら合法と法律で決めてしまうのが、現在のグレーゾーンを解消するのに必要なことだと思う。それができないなら、黒川検事長も刑事罰を受けるべきだ。
仮に合法となった場合に、問題としてあがってくるのは、賭博によって動いたお金が反社会勢力に流れるのでは?というあたりだと思うが、これもオンレート雀荘の営業を許認可制にすればよい(マンションでの高レート麻雀などはやろうと思ったらどちらにせよ防げないし、逮捕するべき)。セット1回の料金を若干上げて、税収にすれば、国のお財布的にもメリットがある。ゲームバックのない雀荘でメンバーとして生計を立てている人からすればセット料金値上げは死活問題かもしれないが、点ピン合法化による麻雀のイメージ向上、裾野の拡大などを考えると、料金を上げることのメリットの方が麻雀業界としては遥かに大きいだろう。
ちなみに、各公営ギャンブルの所轄官庁は下記の通り。
競輪と競馬はなんとなく分かるけど、国土交通省が競艇の所轄官庁なのは正直意味が分からない。天下り先として各省庁が受け持っているのであれば、麻雀も法務省にケツを持ってもらえば良い。黒川氏のような熱い麻雀ファンが天下ってくればきっと業界のために頑張ってくれるはずだろう(月に2~3回卓を囲み、緊急事態宣言下でも打ちたいほどの人だから、よっぽど麻雀が好きなんだと思う)。
3. 麻雀業界の努力不足
今回起きた事件は、極論を言うと麻雀業界が今まできっちりと合法化に向けたロビー活動を行ってこなかったことに起因すると思う。パチンコは公営ではないけれど、国会議員や警察庁にロビー活動を行い、三店方式を生み出し、一応合法ということで堂々と賭博を行っている。もし麻雀業界がロビー活動を行い、もっと早く点ピンまでならOKという言質を取り、法律的にも合法と認めさせていれば、今のもやもやとした状態は発生していない。
Mリーグ(プロスポーツ化を目指す競技麻雀リーグ)が発足して、スポンサー企業を募り、Mリーガーがノーレート雀荘で麻雀教室を行うなど、懸命に業界のクリーン化に動いているけれど、この流れも正直的外れと感じる。
卓越した技術を持つプロ達が、リーグ優勝を目指し、しのぎを削りながら清廉に競技麻雀を行うのを見る分にはとても楽しい。ただ、多くの麻雀ファンは別に競技麻雀がやりたい訳ではないのである。オンレートで適度に射幸心が煽られる娯楽としての麻雀が打ちたいのだ。ここに大きなかい離がある状態では、これ以上の麻雀業界の拡大は望めないように思う(天鳳で十段目指してます、みたいな人にとってはそれ自体がモチベーションになっているからまたちょっと違うんだけど)。
巷で噂の麻雀警察もこの件について熱く語っているので動画を貼っておく。
今回の黒川氏の行動を擁護する気は全くないけれども、この機に麻雀という娯楽について、一歩深く踏み込んで考えてみるべきじゃないだろうか。
いち麻雀ファンとしては、合法になるにせよ、ならないにせよ、白黒はっきりつけてほしいところである。
natu-atui.hatenablog.com